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Issue 01 ·

デザート · フランス

ミルフィーユ

Mille-feuille

キャラメリゼされたパイ生地三枚、バニラのカスタードクリーム二層、そのあいだでせめぎ合う729層のバターと小麦粉。

層とクリームの見えるミルフィーユの一切れ 層とクリームの見えるミルフィーユの一切れ Hover · tap
フランス ペストリー ベジタリアン
甘さ
4/5
辛さ
0/5
時代
近代以前
単位
一人前
ミルフィーユは「千の葉」を意味する — 数学上は729層だが、皿の前では誰も数えない。

起源

ミルフィーユ(mille-feuille) は文字どおり 「千の葉」 。17世紀に確立したフランスの折り込みパイ生地の伝統に連なる。この形でクリームを挟んだ層状の菓子の最古の記録は、 フランソワ・ピエール・ラ・ヴァレンヌ ル・キュイジニエ・フランソワ (Le Cuisinier françois, 1651) に現れる。ただし現代の構造は、19世紀初頭にマリー=アントワーヌ・カレームが定型化したというのが定説である。

カレームの直観は幾何学的だった — パイ三枚、クリーム二層、一切れ 。この比率がそのまま固まった。

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FIG. 01

何であるか

パイ生地三枚を、上面がガラスのようにキャラメリゼするまで焼き、その間にバニラのカスタードクリーム(クレーム・パティシエール)を二層挟む。仕上げはチョコレートでマーブルにしたフォンダンの艶出し(いわゆる à la Napoléon 仕上げ)か、シンプルに粉糖を振るかの二系統に分かれる。

層の数は正確に算出される。クラシックなパイ生地は 6回折り(six-turn) のフィユタージュ — 一度に三つ折り×六回 — で、一枚あたり 3⁶ = 729 層 のバターと生地の交互層が生まれる。一切れに三枚使うので合計2,000層を超える — 二本の指でつまめる一切れの中に。

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FIG. 02

文化的文脈

日本ではしばしば 「ナポレオン」 と呼ばれる。これは19世紀後半のロシアのパティスリーで同じ構造が皇帝にちなんで改名されたものが東アジアに渡ってきた流れで、ミルフィーユ という語より早く到着した名前である。

英国・オーストラリアには バニラ・スライス または クリーム・スライス という末裔がある — 同じ構造、簡素な仕上げ、ややカスタード寄りのフィリング。スウェーデンの プリンセストルタ はクリームの重ね方の直観を引き継ぎつつパイの代わりにスポンジを使う。

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FIG. 03

バリエーション

ピエール・エルメ、フィリップ・コンティチーニ、セドリック・グロレー といった現代パリのパティシエは、プラリネ、塩キャラメル、ラズベリー&ローズ、タヒチやマダガスカルのバニラなど新しい風味でミルフィーユを再構築している。コンティチーニのラ・パティスリー・デ・レーヴの「バニラ・ミルフィーユ」が現代の基準としてよく引用される。

もうひとつの構造的反逆は、横に倒して層を垂直に立てて出すこと — ナイフではなくフォークで切る。フォションとルノートルは現在この向きで提供している。

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FIG. 04

作り方

フィユタージュ(折り込み) が時間のかかる工程だ。バターを生地で包み、伸ばし、三つ折りにし、冷蔵庫で休ませ、また伸ばす — クラシックには 六回繰り返す 各休ませが決定的で、バターは冷たく途切れずに保たれていなければならない — 生地に吸い込まれてはいけない。

焼成は厳しい。 200℃ の上から重しのトレイ をのせて垂直の膨らみを抑え、最後に粉糖を振って高温で表面を琥珀色のガラスのようにキャラメリゼする。カスタードクリームはすべて完全に冷めてから挟む。さもないと一時間で層が湿ってしまう。

参考

カレーム の役割は ル・パティシエ・ロワイヤル・パリジャン(1815)に記録され、 マイケル・クロンドル Sweet Invention: A History of Dessert (2011) で詳しく扱われている。729層という算数はル・コルドン・ブルー Patisserie (Grub Street, 2018 ) に標準として記載されている。

関連項目

グルメマップ

ミルフィーユ の地球儀

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